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【ランナーの誤解】ランニング中の腰の位置について

 

こんにちは、ゼロベースランニングラボラトリーの高岡です。

 

 

さて今日は、もしかしたら結構たくさんのランナーが誤解されているであろう、「ランニング中の腰の位置」についてお話ししていきます。

 

いかがでしょうか?ランニング中の腰の位置。

 

おそらくですね、ランニング情報誌とかウェブサイトで調べると、たいていは「腰の位置は高い方がいい」もしくは「腰の位置が落ちてはいけない」と教えてくれているはずです。

 

しかしですね、この件に関してはワタクシ、高岡としては「もう少し腰の位置を低くすることを再検討してもいいんじゃないか?」と考えてます。

 

なぜ僕がそう考えるのか?

 

今日は、ぜひともあなたに「ランニング中の腰の位置」を「ゼロベースな視座」で考えていただくきっかけにしていただければ嬉しいです。

 

 

それでは早速進めていきましょう。

 

ランニング中の腰の位置について
ランニング中の腰の位置について

 

まず、なぜランニング中の腰の位置が低いと良くないと思われているのか?から考えていきたいと思います。

 

ウェブをサーフィンしてそれらしいサイトを読んでみると、一つは、「腰の位置が低いことで太ももの前の筋肉がオーバーワークしてしまう」ということが挙げられそうです。

 

これに関しては、言いたいことはわからないでもないですけれども、腰の位置が低いことと太ももの前の筋肉がオーバーワークしてしまうということは、直接的な関係はほとんどありません。

 

ただ、そもそも太ももの前の筋肉が張るような走りをしてらっしゃる方が、腰の位置を低くすることで、さらに太ももの前に負担をかけてしまう、ということはもちろんあります。

 

ここでお話ししたいのは、腰の位置が低いから太ももの前が張るのではなく、そもそも太ももの前が張るような走りになってるんですよ、ということです。

 

 

ここを誤解してらっしゃる方がたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか?

 

腰の位置が低いと太ももの前が張る、というわけではない
腰の位置が低いと太ももの前が張る、というわけではない

 

そして、二つ目。

 

ネットの情報では、腰の位置が低いことで「ストライドが伸びない」ということも挙げられてましたけれども、ここに関しても注意が必要なんですね。

 

とういうのも、腰の位置を適切に下げることで、実は、逆にストライドを伸ばすことができるとも考えることができます。

 

特に、ゼロベースランニングメソッドで用いる共通言語として「ブレーキ域接地時間」と「アクセル域接地時間」というのがあるんですけれども、腰の位置を落とすことで、アクセル域接地時間を伸ばすことができると考えてます。

 

このあたりの話はオンラインサロンの方でお話ししてるので、興味がある方はぜひサロンに入っていただければと思うんですけれども、ここでの「ストライドが伸びない」という話は、おそらくブレーキ域接地時間のフェーズが短縮してしまう、ということだと察します。

 

でも、ブレーキ域の接地時間が長くなってしまう、つまり着地点が前方に移動してしまうことでブレーキの要素が大きくなるわけですから、筋肉にかかる負担が大きくなるし、筋肉だけではなく、関節への捻れストレスも大きくなってしまいがちです。

 

そして、この「着地点が前方に移動してしまう」ことによって、ネガティブな意味で腰が落ちてしまう、と言う事態を招いてしまいます。

 

というのも。

 

ちょっとイメージしてみましょう。

 

体の真下に近いところで着地できた方が、腰の位置が不用意に落ちてしまうことを防ぐことができます。

 

逆に言うと、膝の角度が同じであれば、着地点が前方に移動することによって腰の位置は落ちてしまいますよね?

 

そうすることで接地時間も伸びてしまい、全体的なランニングエコノミーも低下することが容易に想像できます。

 

 

つまり、筋肉を無駄遣いしてしまうと言うことですね。

 

着地点が前方に移動しすぎている
着地点が前方に移動しすぎている

 

ということで。

 

ここまで「腰の位置が低いと良くない」と考えてらっしゃる方の頭の中を少しだけ覗いてみました。

 

もしかしたらまだ他の理由で「腰の位置は低くしない方がいい」と考えてる方もいらっしゃるかもしれませんけれども、大まかにはこういうところかなーと。

 

では。

 

ここからは、僕が考える「腰の位置を低くした方が良い」という理由についてお話ししていきたいと思います。

 

と言っても、もういくつかはすでにお話ししてしまったんですけどね。

 

ではまず一つ目。

 

「股関節の伸展可動域にかかわらず、離地点を後方に移動できる」

 

ということです。

 

ちょっと表現がややこしいですね・・・w

 

先ほども少しお話ししましたけれども、これはどういうことかというと・・・

 

脚が後ろに伸びてる局面を想像してみましょう。

 

腰の位置を高くしようとして膝を適度に曲げることができないと、どうしても膝が伸びるタイミングが早くなってしまいます。

 

膝が伸びるタイミングが早いと、股関節の伸展可動域の限界によって、離地のタイミングが早くなってしまいます。

 

 

それによって、体は上に浮いてしまって、スムースな前進運動を表現できないんですね。

 

膝が伸びるタイミングが早い高岡氏
膝が伸びるタイミングが早い高岡氏
膝が伸びるタイミングを遅らせてみた高岡氏
膝が伸びるタイミングを遅らせてみた高岡氏

 

しかし、膝が伸びるタイミングをできるだけ後ろにずらせると、離地点が後方に移動し、重力による落下を活用した、エコな走りを表現することができるんです。

 

そしてこの場合、膝が曲がっていることで股関節の伸展可動域に依存せず、というか、わかりやすくいうと、あまり脚を後ろに流さないようにしつつ、離地点を後方に移動できます。

 

この件に関しては、先日サロンでもメンバーさんとやりとりしてたんですけど、離地点を後方に移動させようとすると、脚が後ろに流れてしまって、膝を前方に出すタイミングが遅くなってしまうんじゃないか?というご意見もいただきました。

 

しかし、このご意見に関しても「膝を軽く曲げて低重心で走ってみる」ことによって、脚が後ろに流れることを解決できるはずです。

 

はい。

 

ここまでが、僕が考える「腰の位置を低くした方がいい理由」の一つ目です。

 

そして二つ目が・・・

 

「臀部・大腿部・下腿部の筋肉を協調して動員しやすい」

 

ということです。

 

どういうことかというと、腰の位置を低くすることによって、着地して離地する間の「荷重時」に、股関節・膝関節・足関節という3つの関節を適度に曲げた状態で活用することができます。

 

そしてそれによって、その股関節・膝関節・足関節に付着している筋肉や腱のバネを最大限に活用できるんですね。

 

しかし、腰の位置を高くしようとするあまり、荷重時に適度に膝が曲がらないと、このバネを上手に活用できないことが多いんですね。

 

 

つまり、重力という「外力」を上手に活用できず、自分の筋力という「内力」を使う比率が高くなってしまって、ものすごくもったいないなーと。

 

 

重力をランニングに活用するための動画(約2分30秒)画像クリックすると再生開始
重力をランニングに活用するための動画(約2分30秒)画像クリックすると再生開始

 

で。

 

ここまでに僕が挙げた二つの「腰の位置を低くした方がいい理由」のエッセンスを抽出すると、キーワードは「重力を上手に活用する」ということになります。

 

腰の位置を低くする、つまり低重心によって膝の使い方が最適化されると、重力を活用して、自分の筋肉の無駄遣いを最適化することができるんじゃないでしょうか?ということですね。

 

しかし・・・

 

もちろん「低重心」を心がければ誰でもすぐに効率的な走りになるか?というわけではありません。

 

先にもお話ししましたが、普段のランニングから背腰部・臀部・ハムストリングスが上手に使えなければ、低重心にすることでさらに太ももの前の筋肉に負担をかけてしまうし、それによって膝を痛めるということにも繋がりかねません。

 

ですので、ぜひとも試行錯誤していただきつつ、あなたの体に眠る「お宝」つまり、あなたの体に眠っている体の能力を引き出しいきましょうね。

 

応援してます!

 

 

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ちなみに、ゼロベースランニングランニングラボラトリーというオンラインサロンでは、ゼロベースランニングのメソッドをメンバーみんなでBBQのように作り上げていくということをやってます。

 

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